ステージだより
かわいい若葉が増え始め、木々が柔らかく色付いてきました。
ゴールデンウィークに向かって、ステージでは
「槙田商店 傘展」が始まりました。
八ヶ岳倶楽部ギャラリーでも常時取り扱いさせていただいていますが、
ステージ展示となれば数が違います!
山梨県南都留郡西桂町。創業156年(1866年創業)に及ぶ老舗、槙田商店。
日本技術の粋を極めたジャカード織を贅沢にあしらった傘は本当に美しいんです。
富士山の雪解け水で染められた糸たち。
高密度に織り込まれた生地は光沢があり、その上質さを感じます。
同じトーンに見えても、開いてみると全て模様が違います。
ディティールの細かさは圧巻。
重厚で上質な見た目ですが、とても軽くて使いやすい折り畳み傘。
プリントの柄ものに比べ、色落ちや色褪せしにくく、丈夫です。
外から見ても勿論、内側から見ても楽しめる傘は織の製法ならでは。
雨傘としても、日傘としても使用できる一本は、雨と晴れとで変わる印象を楽しめます。
moZaiQue パラソル (CUSTOM MADE PARASOL) 日傘
こちらは洋服に使われる生地を使った、八面全て違う模様の日傘。
99%UVカットです。
これはひとつひとつ全て色柄模様の配色、配置が違う一点もの!
ネームバンドには組み合わせを記録されたシリアルナンバーが...。
どの生地を使ったものか記録がありますので、修理の時も安心です。
ナンバーも槇田商店のロゴさえも、なんと織物という徹底ぶり。
八ヶ岳倶楽部とのコラボで作られた「八ヶ岳倶楽部の森」シリーズ
明け方、昼、夕暮れの太陽の光をイメージしたカラー展開です。
(左から昼、夕、朝)
故・柳生博が造り、愛した八ヶ岳倶楽部の枕木の遊歩道の周りには
倶楽部で見られる植物たちがたっぷり配置されています。
「菜」シリーズ(上段)
こちらは野菜をモチーフとした日傘のシリーズ。
細かく立体的な模様は技術の高さを表しています。
閉じた時の野菜イメージの面白さ。
開いた時の文様と色の上品な美しさ。
生地感の凹凸も野菜の質感を想起させると同時に、ポップな可愛らしさを演出します。
下段は「1866 ボンボンカット」シリーズ。
生地を二重に張る「蛙張り(かわずばり)」で作られた長傘。
差している時の裏表の差の面白さは勿論のこと、
室内にあがり玄関に立てかけている姿も美しい豪華な一品です。
特許技術を駆使して作られた一面の星空には8~9万個の星が
精密に描かれています。
夏の星座を中心に、40の星座がかなり正確に描かれていて
陽射しの元でも天体観測が出来てしまいます。
八面に渡る絵画のような花束を持ち歩けます。
同じ絵柄を八面繰り返すのではなく、
どの面も表情の違うシームレスな絵柄は、
手首を捻るだけで少しずつ印象を変えてくれます。
大胆な柄の配置が、明度を落としたモノトーンのシックな色合いで
かっこよく決まるmonotone。
ストライプにダークトーンを合わせたTieシリーズは
スーツでネクタイの雰囲気を合わせれば、上級コーデが出来上がります。
なめらかなグラデーションで、ほんのりとぼかして描かれた木漏れ日の影は
日差しの中ではもちろん、曇りや雨の日でもその下では
穏やかな日差しを感じるようで、優しい印象が人気です。
傘生地を使ったエコバッグは、防水もバッチリ。
なんと水を入れて持ち運べるという防水性能です!
キャンプなど、外遊びでも役に立ってくれるかも。
(※あくまで非常時の使用法で長時間保存はできません。
2~3時間すると縫い目から少し漏れてくることがあります)
たっぷり大容量で、重たい荷物の時にも嬉しい幅広の肩掛け。
収納用の外袋は外れないようになっており、うっかり紛失を防ぎます。
その上ポイントカードなどをしまえるポケット付きと、工夫が詰め込まれています。
急な雨の際には革鞄などのレインコートとしても活躍してくれます。
こちらはさっと使えるマスクスタンド。
マスクが必須になった今、レストランなどで外したマスクの置き場に
困ったことはありませんか?
これがあればテーブル上のマスクの所在が決まります。
手のひらサイズで薄く、コンパクトに纏まりますので、
ポケットに忍ばせてもかさばりません。
たっぷり紹介させていただきましたが、これでもまだ
全てはご紹介しきれていません!
様々なテーマで丁寧にひとつひとつ作られた傘たち。
織から傘の組み立てまで全て職人さんの手作業で作られています。
槇田商店の傘であれば、修繕のご相談も可能です。
雨を楽しみに待てる傘。
自分へのご褒美にも、お世話になった方へのプレゼントにも
オススメです!
(有安)
槇田商店 傘展
会期:4月28日(金)~5月3日(火)
OPEN 10:00~17:30
最終日は、16:30までの開催となります。
霞たなびく春の八ヶ岳では、カタクリが顔を出し始めました。
幻想的な霧の中、例年の開催となりました「藤田嗣治と猫+ガラスと苔」VOL.4がスタートです。
日本生まれのフランス作家、藤田嗣治(レオナール・フジタ)。
20世紀前半、パリ派として名を知られる画家で彫刻家です。
名前を憶えていなくても、この独特な画風は
教科書や美術館で一度は目にしたことがあると思います。
リトグラフ、木版、シルクスクリーンなどの作品たち。
頭巾をかぶった少女
素描
素描
.
今回の展示で是非注目していただきたいのはこちらの二点。
小ぶりな作品ですが、これらは鑑定書付きの素描。
つまり、レオナール・フジタ直筆の世界に一点だけの作品です。
限定数で複製があるシルクスクリーンや木版画も、
ほぼ全ての作品が、当時のADAGP(フランス著作権協会)承認エンボス入り。
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花を持つ少女(復刻版)
シルクスクリーン
猫を抱く少女
シルクスクリーン
カフェ
リトグラフ
印刷職人(小さな職人より)
木版画
風船屋さん(小さな職人より)
木口木版画
白い猫
木版画
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赤いヴェールの母子像
リトグラフ
エンボスのない一部作品は藤田が亡くなった後、
藤田の妻が発表した「君代コレクション」の作品です。
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ここでピックアップしたのは今回の展示のごく一部。
どれも間近にじっくりとご覧いただけます。.
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「世界のガラス作家100人」にも選ばれた尾崎稔成さんは
山梨を代表するガラス作家のひとりです。
尾崎さんの作品がルーブル美術館の玄関を飾ったことも。
日本の駅や主要なビルにも尾崎さんのかかわった作品が点在していますから、
皆さんも生活の中で作品を目にしているかもしれません。
練り上げるような有機的なラインの吹きガラスは、それだけでも存在感に溢れています。
技術と個性が両立された素晴らしい器たち。
イタリア、アメリカ、ニュージーランド、他にもヨーロッパ各所から取り寄せたガラスを使い、
吹き、フュージング、ステンドグラス、サンドブラスト...様々な技法を時には組み合わせ
作られたアクセサリーや器は、ひとつひとつ違った魅力があります。
整然としたステンドグラスの内側で育つ苔のテラリウム。
まるで違う時間を切り取ったような静謐さに癒されます。
蓋についた水蒸気を見ると、苔が吐き出した水分が循環しているのがよくわかります。
お世話は苔が乾いてきた頃に霧吹きでお水をあげるだけでOK。
こちらの壁掛け花入れたちはもちろん、アイアンワークのツリーも尾崎さんの作品です。
アイアンを含め、ステンドグラスなどの作品の相談、注文も承ります。
雨に濡れておしとやかなカタクリも味があります。
森の芽吹きを感じる季節の中、上質なアートへ浸りに是非おいでください。
(有安)
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vol.1
http://www.yatsugatake-club.com/stage/dayori/2020/04/
vol.2
http://www.yatsugatake-club.com/stage/dayori/2020/09/24-dayori-1202.html
vol.3
http://www.yatsugatake-club.com/stage/dayori/2021/04/10-dayori-1144.html
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藤田嗣治と猫+ガラスと苔
会期:4月14日(金)~4月26日(火)
OPEN 10:00~17:30
最終日は、16:30までの開催となります。
4月になりましたが、標高1,300mでは先週、春の芽吹きの上に雪が薄ら積もりました。
そこから一週間、本日は本当に気持ちのいい春の日差しが差し込んで、
三寒四温という言葉を肌で感じます。
季節の移り目、冬にも春にも活躍してくれる織物、ご用意できました。
本日から『チーム機織り展』がスタートです。
『チーム機織り展』は棚機津女さん、フィンランディアさん、荒木賀野さんによるグループ展示販売です。
倶楽部でもお馴染みのお三方ですが、改めて簡単にご紹介させていただきます。
(写真:フィンランディア、大山秋さんと棚機津女さん。
帽子作家の荒木さんは10日頃から在廊予定です。)
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棚機津女さんは裂織と染めの作家さん。
丈夫で華やかな裂織。ここでしか見られない鮮やかな色合わせが並びます。
ちゃんちゃんこにパーカー、襟付きシャツ、Tシャツ......メンズのシャツも御座います。
個性的で目を引く一枚は、きっとお気に入りのものが見つかる筈。
ベルギーの春色の麻に、裂織のポケットのワンポイント。
軽やかで春から夏に掛けて使えます。
今期一押し、ライラックカラーのベスト。
小さな花畑が可愛らしく、着るだけで気持ちが上がります。
スパッタリング技法による彩色の施されたTシャツやパーカー
藍や、桜の木による草木染など、目移りしてしまいます。
自分でも思いもよらなかった色、形が意外にもしっくり、
ぴったり来て驚かれるお客様も多くいらっしゃいます。
沢山羽織ってみてください。
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フィンランディアさんはフィンランド伝統の機織り技術でラグマットを中心に制作されています。
手織りならではの心地よい温かみと硬さで、通年通して使えるマット。
是非、手で、素足で、肌で感じていただきたい作品です。
サイズは一人分シートサイズから、大判のものまで多数取り揃えています。
玄関マットやリビングの絨毯としてはもちろん、ソファーやベッドの足元、車の座席にもオススメ。
織り方の工夫により、両面色違い、模様違いで楽しめます。
コットン、ウールにヴィンテージウール、麻......
天然素材の組み合わせだけで出来ていますので、大判のものでもご自宅で洗うことが可能です。
また、今回は綴織りの大判タペストリーもご覧いただけます。
フィンランドの自然を思い起こさせる、森の風景のモチーフ。
機織りの横糸を丁寧に選び組み合わせられた、大変手の込んだ大作です。
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荒木賀野さんは手作り帽子の作家さん。
とてもエレガントで繊細ながら、普段使いも出来る魅力的な帽子が揃っています。
普段のコーディネートに合わせるだけで、装いがぱっと華やぐこと請け合いです。
柳生のママさんも大のお気に入りで、いつも被っていました。
華やかなコサージュとシルクのオーガンジーのハット。
コサージュは取り外しも可能で、気分次第で
胸元や襟元に帽子のセットとしての装いに変えることもできる2way仕様。
絹、綿や麻など、自然素材を使って
ひとつひとつ手作りで作られた帽子たちはどれも一味違います。
素敵な被り方も作家さんご本人に教えて貰えますので、
帽子上級者さんも、帽子初心者さんも、是非トライしてみてください。
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また、今回は三作家さんのコラボレーションにも注目!
フィンランディアのオオヤマ・エリナ・マルケッタさんが織られたフィンランド伝統のポッパナ織。
日本の裂織にも似た技法で、200年の伝統がある色鮮やかな生地たち。
こちらを棚機さん、荒木さん両名が更に手を加えたコラボ作品の一部をご紹介。
他にもテーブルランナーなど。
見ていただきたい作品がまだまだ御座います!
冬の寒さを残しながら、春の日差しの心地よさを感じられるこの時期。
新年度を迎え軽く澄んだ空気の中、新しいお気に入りの装いを探しに来てください。
(有安)
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チーム機織り展
会期:4月7日(木)~4月12日(火)
OPEN 10:00~17:30
最終日は、16:30までの開催となります。