ステージだより
このところ寒波の影響か、ぐっと冷え込む夜が増えてきました。
足元の冷えがつらい季節になってきましたが、そんな時期にぴったりなフィンランディアさんの展示が始まりました。
フィンランドの上質な糸を使った織りもの。マットを中心に、ショールやマフラー、帽子もあります。
冬にぴったりのウール(羊毛)の他にも、リネン(麻)やコットン(綿)を使った通年使えるクールラグも。
北欧出身、オオヤマ・エリナ・マルケッタさんとそのご家族の小さな工房で、全て手織り。
座布団サイズからベッド程の大きさ様々なマットは全てリバーシブル。
ウールを使ったマットは暖かで適度な厚さがあり、素足で触れたくなる肌触り。
日本ではあまり見ない鮮やかで、それでいて優しい色合いが目を惹きます。
上の写真二枚は同一作品の表と裏。
表裏で全く印象が違うので、気分転換の模様替えも一瞬です。
複数の糸を組み合わせて編み上げる手法で生まれる色の変化に加え、北欧から輸入した毛糸の色ムラもフィンラグの優しい雰囲気を引き立てています。
座布団サイズの敷物はソファに並べても、車のシートや、小さな空間に足マットとして置いてもとてもかわいいです。
幅も長さも、色合いも素材の種類も豊富。
是非触り比べて、お好きなラグを探して下さい。
タペストリーとして飾っても楽しめます。
市販のマットは洗う事が難しい事も多いですが、こちらは浸け置き洗いも可能なのが嬉しいところ。
マフラーや帽子も、ついつい触りたくなる素材の良さを活かした作品が目白押し。
此方はフィンランドの原種、フィンシープの毛を使ったマフラー。
色は全て羊本来の毛の色です。
その毛は本当に暖かく、丈夫で柔らか。そして暖かい室内に入れば首元から暑さを逃がしてくれるよう。
自然本来の落ち着いた色合いも上品で、男女問わずお使いいただけます。
此方も手での押し洗いが可能です。
大判で軽く、暖かく、肌触り最高の柔らかさ。
是非羽織ってみて下さい。
機械編みでは生まれない揺らぎが空気を含み、可愛さも暖かさも抜群です。
講師としてテキスタイルを学校で教えていたこともあるエリナさん。
一枚の葉をモチーフとしたデザインは複雑に絡み合う色が観る人を飽きさせません。
後継者不足で閉店してしまうフィンランドの老舗から、直接仕入れたタペストリーはなんと80年前に織られたもの。
北欧の風景を感じさせる織物です。
ただ、手織りですので全く同じ色の作品は数がありません。
早い者勝ちになりますので、紅葉が残っているうちに是非おいでください。
八ヶ岳倶楽部の紅葉はだいぶ終わりに差し掛かって参りましたが、今なら一番赤い赤、深い紅のオオウチワカエデが楽しめます!(有安)
「織工房 フィンランディアの手仕事展」
11月14日(木)~12月3日(火) 水曜日定休
11月14日(木)~12月1日(日) 10:00~17:30
12月2日(月)~12月3日(火) 11:00~16:30
最終日16:30まで
紅葉も深まり、ステージの窓から見える風景はすっかり秋色です。
木々の下から空が垣間見えるようになってきましたが、ウチワカエデの赤はまだまだこれからというところ。
秋晴れの心地よい日差しの中、山口堅造・山口みちよ「ふたりの鍛金展」が始まりました。
お二人はご夫婦で、堅造さんは八ヶ岳倶楽部創立メンバーのお一人です。
金属を金槌で叩いて形づくる「鍛金(たんきん)」。銅のやかんやお鍋の技法として有名です。
堅い金属を叩くことで、こんなに様々な、時にシャープで、時にやわらかい形が出来るのかといつも驚かされます。
細かな模様を一つ一つ糸鋸で抜いたお皿は、影まで芸術品。
和菓子を置いても、小物置きとしても。
五枚一組の茶托も、金属の冴えた高級感があるので、茶托以外の用途に使っても違和感がありません。
秋の今頃は外で見つけたどんぐりやまつぼっくりを飾るだけでも絵になります。
めだかの遊ぶ可愛らしい器や、幾何学模様が踊るポップな器も、金属の落ち着いた色合いで上品な仕上がりです。
和にも洋にも合わせられる不思議な魅力があります。
直火にもかけられるやかんは銅製。銅は熱伝導率が良く、湯が沸くのも早いです。
(取っ手も熱くなりますのでご注意ください。)
手作りならではの遊び心ある形と技術の高さから来るシャープなラインは唯一無二の一生もの。
蓋のつまみにも細かな細工が施されています。
やかんを小さくしたような急須も、ある様でない、コミカルさと真面目さが同居したフォルム。
軽くて丈夫なのも嬉しいところ。
金属でしか出せない形状と質感は、枯れ枝一本でも格好よく、空間を引き締めてくれます。
緑青で彩られたこちらの壁掛け花器は小振りながら目を惹きつける静かな美しさがあります。
スタッフ南村さんのお気に入り。
此方は大振りの花器たち。
緑青は鉄錆とは違い、表面が酸化して本体を腐食から守ろうとしている状態。
水を傷みにくくしてくれる銅なら、生花も長く楽しめます。
花がある時、ない時、一粒で二度おいしいオブジェでも花器でもある作品たち。
どうやって花を活けるのか? 是非実際に確かめに来て下さい。
レンコンをモチーフにしたこちらの大振りの器も、デザインの可愛らしさと金属の重厚さがマッチした一品。
みちよさんのサイドテーブルとのコラボレーションは一見すると、一つの現代芸術作品のようですね。
量産的な工芸品とは一線を画すスマートさを持ちながら、日常の中の「用の美」も失わないのがお二人の作品の共通点。
堅造さんの花器が花が無くても楽しめる美しさであるなら、みちよさんの花器は花を活ける楽しさを増してくれる美しさであるように思います。
どんな花を活けようか?
此方の「花の塔」シリーズは籠の鳥のように小さな花を活けても、大胆に蔦や枝物をまとわせても映えそうです。
籠シリーズは、豪華な花をたっぷり活けても、写真のように一枝だけや、落ち葉を詰めても楽しいですね。
手に取りやすい小さなサイズは支柱自体がまるで額の様に、花を際立たせてくれます。
金属のアウトラインがもつ冷たさと、手作りの揺らぎと質感のあたたかみ。
モダンでいて、日常生活に寄り添ってくれるような優しいデザイン。
鉄という重厚な素材と絶妙にマッチしたみちよさんの繊細なデザインの愛らしさは、鏡にも。
シンプルでいて印象的なポストカード置きは、手紙や書類の一時的な保管にも使えそうです。
ウィンドチャイムの、チャイム部分は真鍮製。高くて澄んだ可愛らしい音がします。
強力な磁石でくっつく、優れものです。
ギャラリーでもお預かりしている茶筒は様々な金属の色合いが、経年で変化していくもの。
真新しいぴかぴかの筒が使っていくうちに、馴染んで風合いを変えていく時間も楽しみに出来そうです。
窓から見える紅葉も合わせて、美術館のようなステージ展示になりました。
ダウンやマフラーなどお持ちになって、是非秋の気持ちいい森の空気ごと、楽しみに来てください。(有安)
山口堅造 山口みちよ 「二人の鍛金展」
11月7日(木)~11月12日(火)
平日 10:00~17:30 土日祝 9:00~18:30
最終日16:30まで