2008年05月10日(土) 山梨日日新聞掲載
「完ぺきな植物」ギボウシ

20080510_012_1.jpg20080510_012_2.jpgあちこちからニョキニョキとギボウシの新芽が出てきています。はじめは小さなタケノコのようですが、少し葉が開くこのころに僕の葛藤(かっとう)が始まるのです。毎年決まって...。
 近年のイングリッシュガーデンのブームで、ギボウシは日本でもようやく園芸植物としての地位を獲得したようです。最高の庭の脇役でもあり、主役にもなりうるのが、その理由でしょう。
 葉の存在感も十分。葉っぱの模様の多彩さは花たちにも負けません。そして日陰でも育ち、土の質もそうは選ばない。僕の庭にも大体二十種類くらいのギボウシが植わっています。
 おっと失礼。ギボウシは日本名。イングリッシュガーデンにおける彼らは「ホスタ」と呼ばれています。まるでステージに立つ役者の芸名のようです。
 イギリス人の最高の敬意を払ったこの植物への枕詞は、パーフェクトプランツ。そんなイギリスでスター的存在のこの植物は、一体どこが生まれ故郷なのでしょう? イギリス? アメリカ?
 いいえ、違います。日本なのです。世界に誇る日本の植物なのです! では日本でその扱いは...。まだまだ。なぜか? それには理由がありそうです。
 写真のように新芽が開き始めたこの瞬間。山菜として、それはそれはおいしい葉っぱになります。地方では「ウルイ」とも呼ばれる立派な山菜です。少し甘くて、えぐみはない。天ぷら、おひたしは最高です。あらゆる山菜の中でも、僕のなかでは三本の指に入ります。
 そう、食べてしまうほど当たり前に近所に生えていたから、日本ではあえて庭に植える存在にはなりえなかったのです。つまり僕らは現在、外国の方に日本の植物の素晴らしさを教わっているのです。
 さて毎年の僕の悩み。分かっていただけたでしょうか? そう! ギボウシを食べるべきか、ホスタを育てるべきか-。うん、悩ましい...。

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