2008年02月16日(土) 山梨日日新聞掲載
「世界征服」へ驚きの戦術

20080216_019_1+1.jpg20080216_019_2+1.jpgヤドリギという植物を知っていますか? 漢字で書くと「寄生木」。文字通りほかの木に寄生して養分を横取りしている植物です。ナラやケヤキ、ここ「八ヶ岳倶楽部」ではシラカバなどにくっついているのをよく見かけますね。自分の根をほかの木の幹にグイッと食い込ませているのを見るとちょっと怖い気もします。
 ところで、あらゆる植物のタネは「世界征服」をもくろんでいるのはご存知でしょうか。いかに遠くにたくさんのタネを運び、いかに確実に発芽させるかが植物にとっての大命題なわけです。最終目的といってもいい。
 このヤドリギ。実はすごい戦略を持っています。
 ヤドリギが勢力を拡大させるために最低限必要なことは何か? それはほかの木の幹や枝にタネをくっつけなければならないこと。地面にタネが落ちてしまっては「寄生木」の名前を語る資格はありません。あくまで養分を横取りする相手がいてこそ「寄生木」。
 なんとヤドリギはタネにネバネバの果実をまとわせたのです。ためしに手でつぶしてみるとあまりの粘着力に驚くと思います。手を振ったくらいでは落ちません。
 このベタベタが鳥のお腹を通っても失われないとは。この写真を撮るまで信じられませんでした。
 ドローっとした糞(ふん)をぶら下げたヒヨドリはさぞ気持ちが悪いことでしょう。早くお尻から取り除きたい。ヒヨドリはこの後、木の枝にお尻を何度もこすりつけていました。ようやくタネ入りの糞が取れてすっきりです。
 結果的にタネは鳥によってべったりと幹に張り付いていました。僕が触っても簡単には取れません!
 こうしてヤドリギは世界征服大作戦の第一歩を完ぺきなまでに無事完了したのでした。それを助けた立役者、ヒヨドリは作戦を知るよしもありません...。

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