柳生真吾の八ヶ岳みどり通信

2009年06月13日(土) 山梨日日新聞掲載
渋いベテラン役者アジサイ

どうでしょう? 日本人にとって季節をすぐに連想できる植物といえば...まずは断然サクラですね。そしてモミジにヒマワリ。次にアジサイではないですかね?
 僕はアジサイが大好き。雨が好きなわけではありませんが、アジサイが咲いているのなら雨もまたよし。
 アジサイの葉っぱの上にカタツムリが気持ちよさそうに日光浴...ではなくって「雨浴」している光景は、小学校のころ一度は絵に描いたことがありそうだ。大きな濃い緑の葉っぱにいるカタツムリは必ず笑ってたりして。
 そう、日本で6月と言えばアジサイなのだ。
 アジサイは大きく二つの種類に分けられます。ガクアジサイとヤマアジサイです。
 子供のころ描いたアジサイは間違いなくガクアジサイ。その特徴は葉っぱが厚く緑色も濃いです。また、大きな葉っぱに負けないくらい花も豪華なてまり状ですね。逆にヤマアジサイは葉っぱの緑色が薄く、その厚みもまた薄いです。花は地味でてまり状にはなりません。それぞれ育て方が違います。
 まずガクアジサイ。これはもともと海岸沿いに自生しているもの。サンサンと輝く太陽の下で6月を歌い踊っているのです。そう。家庭で育てるときは目いっぱい日光に当てないとすぐ機嫌が悪くなります。逆に冬の寒さは苦手です。
 ヤマアジサイは雑木林の木漏れ日の中でそっと生えています。ですからできるだけ木陰になるようなところで育てましょう。夏の暑さに弱いかわりに、冬はどんなに寒くても大丈夫!
 さて僕の住まいは八ケ岳、大泉の雑木林の中。当然僕が選ぶべきアジサイはヤマアジサイ。その種類の多さったら驚きます。どれもジワッと感じ入る渋い役者のような魅力を放っています。いつのまにか僕の庭には20種類近いヤマアジサイがあるではないですか。20人もの渋い役者がそろうとさすがに格調高い庭になります。それぞれがまた咲き進むと色が変わるのもまたベテラン役者ならでは。いつまでも飽きることなく楽しめます。
 どうです。今年は日なたの華やかなスターの中に、日陰でもきらりと輝くベテラン俳優をキャスティングしてみては。ぐっと庭のドラマが深く面白いものになりますよ。

20090613_014_1.jpg20090613_014_2.jpg

最近のアーカイブ記事

掲載日付別