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<マイチェアができるまで・・・5>



iPhoneが鳴った。

田原良作さんからだ。
あわてて2コールでとったのだが、そのわずかな間に色々なことを考えた。

(デッサンが仕上がったのだろうか?)
(材質の相談?)
(予算か?)
(あるいは忙しくてとりかかれないとか・・・)
 

 
「背もたれと座面をざっくり作ったんだけど真吾くんの体に合わせてみたいんだ!」

えぇ!!
もうそこまで進んでいるのですか!?と言いかけたが、すぐに車のカギを手にして電話を切る。
とにかく一秒でも早く工房に行きたかった。

生粋の彫刻家、田原さんのことだからこんなこともあるかとは思ったのだが・・・
きっと形や材質がバババッっとひらめいたのだろう。
そのまま一気に制作に入ったに違いない。
僕としてはデッサンを見せていただきながら、あれこれやり取りの末「これで行きましょう!」という段取りをイメージしていたのだが・・・

しかしこれはこれでエキサイティングには違いない。


 
車の中でよく考えた。

僕は「ぼーっと瞑想できる椅子をお願いします」としか言っていない。。。
たったそれだけの情報が、田原良作さんの感性のフィルターを通り、いよいよ「かたち」となって彫刻家の手から生まれてきたのだ。

期待と共に何とも不思議で複雑な気分・・・

寒風の夜の闇の向こうに工房の明かりが見えてきた。



 
水銀灯に照らされてその椅子はあった。
田原さんの白い歯が見える。

すごい!

こんなに椅子をみて興奮したのは生まれて初めての経験。
いや椅子と言っても、まだ脚もついていない。
ただの板のような大きな座面と背もたれしかない状態なのに、だ。
しかしそれは角度といい厚みといい、まぎれもなく僕が欲しかった「ぼーっと瞑想する椅子」そのものだった。


 
「ちょっと寸法見るから座って!」

脚もついていない椅子にそっと座ると、田原さんとお弟子さんの顔が変わった。
「ひざの裏はあたってない?」「あぐらはかける?」「背中の角度を変えてみるからね」「ひじ掛けの高さは?」「首をもたれてみてよ」・・・
あげくに靴も脱がされた。

確かに室内で使う椅子なので靴を履いていない状態で確かめた方がいい。

こうして椅子の脚の長ささえも「僕専用」に決まっていく。
以前、一張羅のスーツをフルオーダーで作った時の細かな採寸を思い出した。



あっけにとられてしまった・・・と同時に至福の時。
こうして僕だけの椅子が出来上がっていくのだ!

椅子が出来上がるまでもが、ハッピーな時間。。。


2013/1/3 柳生真吾

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