カタクリの花物語
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ちょっと前の八ヶ岳倶楽部のカタクリです。4月7日の写真。
もっとその当時のカタクリを見たい方は是非こちら!
毎年球根を植え続けて大切にしてきました。
今年はまるでお花畑のように咲いてくれました。
今日はそのカタクリその後、です。
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みなさん、意外と花の後って見たことないでしょ。
満開の写真は良くあるけど。
これは花びらが散って、付け根の部分(子房)が膨らんできたところです。
中でタネがジワジワと大きくなっているはずです。
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おっ!開きました。
ホウセンカのようにバチンと音を立ててタネを飛ばす・・・。
ではなく、なんとなくです。そろっと開きました。
実ははじけなくてもカタクリはタネを遠くにやる仕掛けがあるからなんです。
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開くと同時に、これまたそっと地面に倒れます。
タネがパラパラとこぼれる。
植物の種をばらまく方法というのは実に多彩でよく出来ています。
例えば赤い実の多くは鳥に食べてもらって、遠くでフンと一緒にタネを地面にぽとりと落としてもらう。
タンポポは風に乗って飛んでいく。
僕らの体にくっつくのもあります。
ではカタクリは!?
良く見てください。その運び屋がこの写真にも写っています。
小さくだけどね。
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今日、その元お花畑に行ってみたら一生懸命運んでいました!
アリです!
自分の5倍くらいありそうなタネを巣まで引っ張っていきます。
みるみる目の前からタネが地面の中に隠れていく。
すごい!カタクリはアリに遠くに運んでもらうだけでなく、地面の中に種まきまでさせているんです。
全く良く出来ていますね。
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でもいくら働き者のアリだって何のご褒美もなければ運びませんよね。
アリはこのタネの先端についているとんがっている部分が目的。
ここをご褒美としてもらえるわけです。
大好物のエライオソームという物質をタネ一粒づつにつけているカタクリに拍手です。
同じ方法でタネを遠くに運ばせている植物にスミレがありますが、植物達の戦略は知れば知るほどため息がでてしまう。
ホントすごいね。
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2007/6/12 柳生真吾
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